2019年11月発売のコラランの講演会に参加しました。商品名を聞いた時「コララインとボタンの魔女」が頭から離れず不思議な感じのイメージがありました(笑)

頻脈傾向は予後が悪い。徐脈化で予後は改善するのか?については、コラランは洞結節のみに作用するため、脈を遅くする作用がある。徐脈化で心不全入院が低下(症状改善・運動耐容脳up)、HRをRisk markerとしてではなくRisuk factorとして捉えることが重要と講演されてました。

コラランの特徴として、脈は遅くするけど血圧は下がらない(ちょっとは下がる)と言われていますが、なんで心拍数が減少するのに血圧が維持出来るのか不思議でした(やっぱり不思議笑)でも今回戸頃医師の講演を聞いて納得できました。心拍数が減少することで拡張時間が延長する→拡張時間が延長することで、一回拍出量(CO)が増加する→CO増加によって血圧が下がらない・・なるほど!回数が減っても、一回拍出量がふえるので、結果血圧は下がらないんですね。言われてみればですが、言われないとわかりません。

コラランは、洞調律で、βブロッカーを最大耐用量内服した上で安静時心拍数が75回/分以上の慢性心不全患者に処方されるようです。LVEF 35%以下の症例での有効性が確認されております。コララン内服時の注意点として、一過性の心房細動は一日経過観察する(除細動時にアレストしやすいため、Wash out 24時間かかるので一日様子見る)自動車運転する方は、光る・眩しいなどの症状が出ることがある(2〜3習慣で慣れるとのこと)家庭内血圧+自己心拍測定+体重測定が大事。

久しぶりの新薬ということで、先生たちのディスカッションは熱くなりますね。循環器内科の処方技術は神業だな〜と思いました。看護師やコメディカルがしなくてはいけないことは、患者さんのアドヒアランス向上と、再入院を減少させるために、病診連携・病病連携の強化が重要だと感じました。自分自身、ビタミン剤ですら医師の処方通り飲めないわけで(絶対忘れる)、患者さんが毎日完璧に内服を行うのは困難だというデータがあると以前戸頃医師は話していました。(医療従事者が患者と家族に介入することで、内服率68%が80%に改善したデータを説明してくれました)ですので、患者さんの薬剤アドヒアランス問題にどう立ち向かって行くか、今後の課題ですね。

心不全講演は今後も沢山ありそうです。これからの時代、心不全患者は地域で管理していくことが増えていきます。心不全のステージを進行を遅くする、次の入院までの間隔をどれだけ延ばすかが重要になると話されていました。